角田光代さんの本。
audiobook.jpで聞いてみた^_^
トータル12時間!長い!
(月額890円)
ーーーーーーー
幼児を持つ母親が裁判員として選ばれた話。
私は未だ経験したことのない世界。
育児疲れで赤ん坊を溺死させてしまった母親の裁判にて、主人公は自分と重ね合わせながら、
言葉にできないモヤモヤや心のザワツキを表に出していく。
夫はどこかで自分に対して高圧的で、だけどちゃんとした証拠がないから
「あれは私の勘違いだったのかしら。思い込みが過ぎるのでは。」
とすませてしまう。
幼子と2人でいればいるほど自分の世界が小さくなっていくような気がして、夫に
「キミはどうかしている。」
と言われ続け、本当に「どうかしている。」
ような振る舞いをとっていく。。
まるでそれは催眠術にかけられているように。
違う違う。
と思っても、子供にいじわるな態度をとってしまう主人公。
運悪くそこだけ切り取られ、
「虐待しているんじゃないか。」
と周囲に誤解されてしまう。
誤解を解こうとすればするほどその糸は複雑に絡み合ってしまい、
だけれども言うことを聞かない幼子はいるわけで。。。
という毎日。
義母は一見親切だが、孫を甘やかしてばかり。
都合の良いところだけ「子育ての手伝い。」をして折角した「トイレトレーニング」もいちからやり直し。
ああ、私の母もこんなだったのかな。
と思いながら読む。
角田光代さんはすごい。
こんな母親の心の機微までも言語化している。
この小説は、ハッピーエンドではない。
だけど、もっと多くの人がこの小説を読めばリアルな世の中はハッピーエンドに近づく。