かまさかさんです!
【読書174冊目:『茶室とインテリア』(内田繁)】と素敵なサムシング
【読書目的・理由】
日本のミニマルな空間と言っても過言では無い、茶室。
インテリアという観点から解釈したらどうなるのかタイトルから気になったので。
【学び・読書メモ】
■日本古来の住居はもともと巨大な家具と考えた方がしっくりくる。
西洋から家具を持ち込む文化が来たときに、対処の仕方が曖昧になってしまったのではないか。
■水平と縦長の概念。
日本→水平ラインを強調。床座で視線は左右に動く。
西洋→垂直ラインを強調。(石積など構造上)。遠くを見通せるよう視線は上下の方向に動く。
■茶室は「空間がウツ、すなわち空虚であること」が前提。
同じ大きさの空間だけれど、そこに一輪の花を置くだけで空間が広がる。(ように感じる)
小さい部屋をつくることで精神が高揚したり、深まることに気付いたのが日本文化。
千利休はどこまで小さくできるのか、部屋を小さくすることで無限の空間ができると考えた。
■光をつくることは、良い闇をつくるということ。
たとえばキャンドルなどの裸火を持ち込み、ゆらぎの変化を楽しむ。
■収納は「隠す収納」と「魅せる収納」がある。
茶室の棚の寸法も数学的にデザインする。
数寄屋→数学的秩序を敢えて崩す。
小堀遠州→もう一度数学的秩序を見出していった。
そして、そこにどれだけものを飾るスペースがあるか。
現代のインテリアはどうでしょうか。
*新しく出会った言葉*(禅語)
■「而今(にこん)」:今この瞬間を生きるという意味。
■「中今(なかいま)」:過去と未来に至る間の現在のこと。
→カメラのNikonはもしやここから来ているのか!?
「この刹那的瞬間をカメラにおさめるってか!?なんだ!なんだ!カッコイイぞ!!」
、、、と思いましたが、全然関係ありませんでした。後付けでもそうしたら良いのに。
【自分への落とし込み】
正直、難しいテーマの本でした。。
ただ、興味深い記述がありました。
「千利休は茶室に無限の空間を見出そうとしていた。」とあります。
以前読んだ安藤忠雄の本にも似たようなことが書いてあったのを思い出しました。
彼の代表作品「住吉の長屋」には外に壁を立て、完全に閉ざし、その代わり内側に中庭を設けその敷地一杯に建てた小さな長屋に「宇宙を詰め込んだ」と言っていました。
はじめ読んだときは「宇宙??急に何だろう?」と思いましたが、この利休の言葉でハッとなりました。
小さな空間で、それをいかほどまでに小さくし、窮屈に感じさせないか。
むしろ、小さく閉じることでしか実現し得ない空間を如何にかたちづくるか。
それを追求してできたのが京都の大山崎にある「待庵」です。
たった2畳の茶室に無限の空間を実現させました。
大切なのは、その考えるプロセスだと思いました。
「無限の空間」「宇宙を詰め込む」というのはあくまでも例えであって、なぜそれが可能なのかを深掘りして自ら気付くことが重要です。
本書はさらっと書いていましたが、私はその行間を読み、真意を理解することが出来ませんでした。
知識不足と、経験不足です。
知れば新たな世界が見えてくることに違いは無いので、脳に汗をかきながら専門的な本も積極的に今後読んで行こうと思いました。
ブログの読者の方々にとっても、手に取るキッカケにして頂けたらと思います。
(興味が無いかも知れないですが。。。。。)
では、また!