かまさかさんです!
またまた、また!建築家、世界のANDOの本です。
【読書171冊目:『建築を語る』(安藤忠雄)】と素敵なサムシング
【読書目的・理由】
先日の続き、同じく過去(1998年)に東京大学であった特別講義を収録したものになります。
こちらも学生の頃に夢中になって読んだ記憶があります。
(ほとんど理解できませんでしたが、、、。)
『連戦連敗』とセット本のようなものなので折角なのでもう一度読んでみました。
読み終わってからは頭の中はANDOで一杯です。
【学び・読書メモ】
■手描きの図面からは描いた人間の迷いや思い、文化的背景が読み取れる。
CADやCGは完成度が高く、一見充実した内容を伴っているように見えるが、そこには文化が宿らない。世界中の誰が描いても似たような表情になってしまう。
■柱など、すぐに何でも揃えてしまわない。
あえて崩すことでリズムが生まれ、生命が宿る。
レム・コールハウス(オランダの建築家)との対話から。
■都市における「軸線」を意識する。軸の設定。軸の力。
パリの街。丹下健三の「広島ピースセンター」など。
■敷地を読む時。何が「味方」になってくれるのかを探す。
水辺に近いカフェでは「水」を味方にしようと試み、テラスのレベルを極限まで下げた。
■日本庭園の素晴らしいところ。壁をつくることで壁の向こう側まで獲得できるようにしている。(借景)
■小さい家の中にあちこち仕掛けがあって、自然が忍び込んでくる。
「住吉の長屋」にて。チャールズ・ムーア(アメリカの建築家)との会話より。
■情報の過多により「考える自由」が奪われている。
学校で学ぶことも大切だけれど、「自分で学ぶ」ことも同じくらい大切。
「旅」をせよ。
■会社に就職したとしても、社会を広く視野に入れて会社のなかでも客観性を備えた自分の意見をしっかり言えるようにすること。
終身雇用や年功序列のせいにして、無難に生きないように!
【自分への落とし込み】
先日の『連戦連敗』に続いてこちらも20年前のANDOの貴重な講義内容が収録されていました。
挿絵として彼のスケッチがたくさん載っています。
なんども「手描きのスケッチ」で創造しイメージを伝えることの重要性を説いていました。
色鉛筆でぐるぐると円を描いたり、勢いよく走らせた筆跡からは情熱が伝わってきます。
実現させるにはそこに構造的な成立の可否や法規制という検討が必要になってきます。
全てがそのまま実現したわけではないでしょうけれど、初期イメージがそのまま現実化した作品もあります。
彼の作品には「夢」があります。
文中の言葉にも「力」があります。
なぜか。
それは彼が過去の名声にしがみつかずに「今でも」挑戦し続けているからです。
(本の出版から20年経った今でも。)
その一本の線には数え切れない挑戦の数々が詰まっています。
この本を読んだ建築学生は無意識のうちに彼の影響を受けるでしょう。
もちろん、私もそうでした。
初心に帰れた一冊です。
では、また!