かまさかさんです!
遅くなってしまったけど、読書ノートは毎日投稿!
【読書124冊目:『芸術起業論』(村上隆)】と素敵なサムシング
- 出版社: 幻冬舎 (2018/12/6)
【読書目的・理由】
芸術と商業をどのように結び付けて説明しているのか、またどんな戦略を行ってきたのか気になったため。
芸術を続けていくためには、作品が売れないと生活も出来ないと思うし、歴史上”パトロン”の存在は必須だと思ったので。。
【学び・読書メモ】
■「欧米の芸術の世界のルール」があることを知る。
著者は欧米のアーティストと互角に勝負するために、欧米のアートの構造をしつこく分析。例えばアメリカは多民族国家なので「誰にでもわかる説明」が前提のアートが好まれる。
■日本の美術大学の構造は”美術学校での活動を繰り返すだけの構造”にしかなっていない。
人生のモラトリアムから抜け出せない。
■知的な「仕掛け」や「ゲーム」を楽しむのも芸術。
ルールや流行を作り出す側にまわる。
■コロンブスへの見解
彼はアメリカ大陸を発見した英雄だが、命をかけなければならない「社会的弱者」であったという見方もできる。
■芸術を買うのはお金持ち。それも価値観がまるで違う桁違いの。
最終的にはアートを通して「天才が見た風景」を手に入れたくなる。
■「アレンジ」や「ものを作る発想」を追い求める。
追従者は真似をして小銭を稼ぐことはできるかもしれないが、所詮小銭は小銭なのだ。
■芸術は、人間と人間の戦い。
★歴史は「使うもの」
歴史の引き出しを開け閉めして、価値や流行を考える。
”「ひきだしを知らずに作られた芸術作品は、 「個人のものすごく小さな体験をもとにした、おもしろくも何ともない 小 ちゃい経験則のドラマ」にしかなりえない。”
【読書を踏まえて自分にどう落とし込むか】
著者は終始マチスを絶賛していました。
マチスは天才、別格だと。
マチスについて作品程度しか知らなかったので、勉強しようと思いました。
村上隆さんの作品は「カイカイとキキ」や「ドラえもん」とのコラボで見たことがあり、知っていました。
けれどここまで緻密に分析し、ストイックに商業として芸術と向き合っている方とは知らなかったです。
一般的な「アーティスト」については勝手なイメージでは、表現者として気ままに作品を制作する傍らアルバイトをして生活を繋いでいるような貧乏なイメージがありました。
運よくヒットすれば一躍有名になり、作品が商品化され印税もガッツリ入ってラッキー★みたいな。。。
見方を変えれば商業的戦略も「芸術」なのです。
解釈は多様。
ゴッホも死後に作品が評価され有名になるというここまでのストーリーが彼の「芸術」なのかもしれません。
けれど、生きている間にお金も欲しいし、そのお金で新しい作品を探求していきたいというのが著者の「芸術」です。
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最近読んだ本で立て続けに共通していることがあります。
それはどの著者も「歴史を学ぶ」重要性を説いていることです。
私は、理系だったので受験の時は歴史をそこまで必死に勉強しなかったのですが、
「教養として。豊かに人生を送るため。」に歴史を学ぶこと、そして
それに対する自分の見解を持っておくべきだと痛感しました。
では、また!
★本の中で出てきた語句★
■歯牙 (しが)にも掛けない。
問題にしない。相手にしない。
例)弱すぎて歯牙にも掛けてもらえなかった。